今大会は本「プログラム・抄録集」への抄録論文の掲載をもって「発表」とみなします。
(最新ファイル名:2020JAM7program1221.pdf)
「プログラム・抄録集」掲載の抄録論文の著作権は,各著者に帰属します。学会は,各著者の許諾を得て,本「プログラム・抄録集」にて抄録論文を公開しています。著者の許可なく,これら論文を複製,公開,頒布等することは法律により禁止されています。
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各抄録の末尾に「責任著者連絡先」として「メールアドレス」を掲載しています。閲覧者/著者間で個別に質疑/応答のやり取りをおこない,各テーマに関わる議論をお深めください。
題目一覧
1. 学生向けマインドフルネスのための動画教材の作成と効果検証
Development and Evaluation for Mindfulness Practicing Material for College Students
西垣 悦代(関西医科大学)
藤村 あきほ(関西医科大学)
小室 弘毅(関西大学)
医学生に対するマインドフルネス介入の継続自習用の動画を試作し,効果の検証を行った。マインドフルネス経験のない学生3名が8日間実践したところ,FFMQの観察因子の得点が上昇し,教材としての効果を確認できた。
2. COVID-19流行による急性ストレスに対するマインドフルネスの継続効果:マインドフルネス心理療法経験者を対象とした横断的調査
Long-Term Effects of Mindfulness on the Stress Caused by the COVID-19 Epidemic
田中 智里(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
二宮 朗(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
田村 法子(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
若泉 謙太(慶應義塾大学医学部麻酔学教室)
小杉 志都子(慶應義塾大学医学部麻酔学教室)
朴 順禮(慶應義塾大学看護医療学部)
佐渡 充洋(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
藤澤 大介(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
COVID-19流行下でもマインドフルネス実践継続者は中断者に比べ心身の健康度やレジリエンスが高く,主観的な有効性も高かった。マインドフルネスの長期的な継続が急性ストレスに対して有用である可能性が示唆された。
3. 思春期女子を対象としたマインドフルネス・ヨーガ:児童心理治療施設における実践報告
Significance of Mindfulness Yoga Program for Adolescent Girls
相馬 花恵(駿河台大学)
滝沢 真理絵(さいたま市子ども家庭総合センター)
児童心理治療施設において思春期女子を対象としたマインドフルネス・ヨーガを実践した。参加児童らの反応から,本技法が心身の適応感の改善に有効であること,また日常生活場面で適用可能であることが示唆された。
4. マインドフルネスのどのような側面が抵抗を生み,続行させるのか?:初心者が感じる瞑想実践の阻害要因と促進要因
What Aspects of Mindfulness Encourage and Discourage Meditation Practice for Beginners?
福市 彩乃(関西大学大学院心理学研究科・日本学術振興会)
菅村 玄二(関西大学文学部)
瞑想初心者にとってのマインドフルネスの取り組みにくい側面とモチベーションを高める側面を調べた。前者として「退屈」「眠くなる」,後者として「気分がよくなった」「ストレスが下がった」などが挙げられた。
5. 統合的療法におけるアプローチ要素の順序効果:内観的力動療法とマインドフルネス的療法を用いて
The Effective Order of Therapy Approaches in an Integrated Therapy
藤崎 ちえ子(東京成徳大学)
内観的力動的アプローチとマインドフルネス的体験アプローチの統合的療法において,順序として内観的ワークを前半に組み込んだ方が後半に組み込むより,セルフ・コンパッションや抑うつに効果的であることがわかった。
6. 新型コロナウイルスによる生活様式の変化とマインドフルネス(1):社会人を対象とした調整効果の検討
Mindfulness Moderates the Relationships Between Pandemic-Related Lifestyles and Psychological Health in Workers
宮田 裕光(早稲田大学文学学術院)
三瓶 彩香(早稲田大学文学学術院)
斎藤 暁生(早稲田大学文学学術院)
名村 双羽(早稲田大学文学学術院)
魯 彩恩(早稲田大学文学学術院)
石川 遥至(早稲田大学文学学術院)
有職者の社会人1,000名を対象としたオンライン質問調査により,新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式の変化とストレスなどの心理的健康度との関連を,マインドフルネス傾向が調整していることが示唆された。
7. 新型コロナウイルスによる生活様式の変化とマインドフルネス(2):大学生を対象とした調整効果の検討
Mindfulness Moderates the Relations between Pandemic-Related Lifestyles and Psychological Health in Undergraduates
石川 遥至(早稲田大学文学学術院)
鴨田 紗弥(早稲田大学文学学術院)
陳 潔寅(早稲田大学文学学術院)
山上 彩花(早稲田大学文学学術院)
宮田 裕光(早稲田大学文学学術院)
COVID-19の拡大による大学生への影響として,自宅で過ごす時間,感染症に関するメディア報道への接触などの増加がみられた。また,これらが精神的健康に及ぼす影響をマインドフルネス特性が調整することが示された。
8. アトピー性皮膚炎の大学生の心理的苦痛の軽減に関する研究:かゆみや皮膚をかく行動にマインドフルになることの効果に着目して
Relieving the Psychological Distress of College Students With Atopic Dermatitis Using Mindfulness
南谷 紗果(秋田大学大学院教育学研究科)
柴田 健(秋田大学教育文化学部)
マインドフルネスを用いた介入がアトピー性皮膚炎の大学生の心理的苦痛を軽減する可能性が示唆された。
9. 倫理的な言葉遣いのトレーニングの開発と効果およびユーザビリティの検討
Examining the Effectiveness and Usability of Ethical Speech Training
砂田 安秀(岩手大学人文社会科学部)
杉浦 義典(広島大学大学院総合科学研究科)
仏教の八正道における「正語」の実践にもとづく,倫理的な言葉遣いのトレーニングの効果とユーザビリティについて検討した。大学生への1週間の介入の結果,コンパッションやマインドフルネス,無執着が向上した。
10. マインドフルネス・プログラムによる気分の変化:シングルケースデザインによる検討
The Effects of Mindfulness Programs on Mood in Normal Adults: A Single-Case Design
川原 正人(東京未来大学こども心理学部)
8週間のマインドフルネス・プログラムを実施し,ベースライン,プログラム前半,プログラム後半とどのように気分が変化するかシングルケースデザインを用いて検討した。
11. マインドフルネス・セルフ・ボディタッチの効果の検証:ボディ・スキャンと比較して
Effectiveness of a Mindfulness Self Body-Touch Intervention: Body-Scan as a Control
山口 伊久子(マインドフルネス&ヨガネットワーク)
宮田 裕光(早稲田大学文学学術院)
永峰 大輝(桜美林大学大学院)
石川 利江(桜美林大学)
オリジナル技法であるマインドフルネス・セルフ・ボディ・タッチによる介入効果をボディ・スキャンと比較し,マインドフルネスとセルフ・コンパッションの向上性及び攻撃性・攻撃行動・怒りの抑制の作用について検討した。
12. 日本と海外の学生へのオンラインでのマインドフルネスのコース実施からのWITHコロナの時代の支援の探索的考察:COVID-19感染拡大の中での心のケアと国境を越えた共学
Online Implementation of Mindfulness Courses as International Co-education in Higher Educations
小松 由美(東京外国語大学)
パンデミックにより渡日できない海外の留学生と日本の大学生が共に参加するマインドフルネスのセッションをオンラインで実施した。
13. COVID-19感染症下のオンラインマインドフルネスストレス低減法の検討:対面形式のプログラムとオンライン形式のプログラムの比較
MBSR Conducted Online Under the COVID-19 Pandemic: Comparison With the Historical In-Person Program
伊藤 靖(神戸徳洲会病院・関西医科大学心療内科学講座・MBSR研究会)
山本 和美(西京都病院・関西医科大学心療内科学講座・MBSR研究会)
対面,オンラインのいずれの形式でも殆どの項目で参加前後に有意な改善を認めた。群x時期の分散分析で有意な交互作用はなかったが,効果量は前者で0.47~0.69,後者で0.19~0.61と前者でより大きい傾向を認めた。